本日は焼酎の製造工程についてご紹介いたします。
焼酎の製造工程は大きく7工程に分けられます。それでは製造工程を詳しく見ていきましょう。
①洗米・蒸米・種付
米を洗って水に浸します。ドラム式の蒸気で蒸しあげたあと麹菌を入れて米になじませます。
②製麹
製麹(せいぎく)とは蒸した米・麦に麹菌をまぶし繁殖させ麹を作る作業のこと。
米麹は焼酎作りだけでなく、日本酒やしょうゆ・味噌に使われたりと、発酵食品の基本となる麹は日本食には欠かせません。製麹は焼酎作りの基本となるため、醸造所によってはすべて手作業で行われています。
③一次仕込み
麹と水・酒母を混ぜ合わせ5~7日間発酵させることで「一次もろみ」ができあがります。
焼酎の場合、酒母になる一次仕込みをしたものが、一次もろみになります。
一次仕込みは純度が高く強い酵母を作り出すこと、二次もろみの発酵に必要不可欠な酵素・クエン酸を作り出すことが目的です。
④原料の選別・加工(さつまいも)
全量芋仕込みとは、さつまいもで作った芋麹を発酵、一次仕込み・二次仕込みを経て発酵させる作り方。
麹から一次仕込み・二次仕込みの全部にさつまいもを使うため、全量芋仕込みと表している訳です。
ただしさつまいもは水分が多いため、麹としてそのまま使えません。
米粒大にまで細かくカットするなど加工する必要があるものの、より強いさつまいもの風味や味を楽しめる焼酎に仕上がります。
⑤二次仕込みの工程
一次仕込みで仕上がった一次もろみに水と原材料(米・麦・芋など)を加え7~14日間じっくり発酵させます。
これは時間をかけることで原材料のうま味・甘味が引き出されるためです。もろみの温度を下げ均一な状態にするため櫂入れ(かいいれ)を定期的におこないます。
原材料の持つでんぷんが糖化することでアルコール発酵が促進され、二次仕込みが終わる頃にはアルコール度数は14~15%程度になっています。
⑥蒸留
芋焼酎は乙類焼酎といって単式蒸留で焼酎を作ります。単式蒸留(乙類焼酎)とは簡単に説明すると、単式蒸留器(ポットスチル)にもろみを入れ加熱・蒸留し、蒸気を冷やすことで焼酎を取り出す作り方です。
蒸留には常圧で蒸留する方法と圧力を下げた減圧蒸留の方法があります。それぞれ役割が違うので説明していきますね。
常圧蒸留とは
常圧蒸留とは、蒸留器にもろみを入れ高温で90~100℃程度に熱し、もろみを蒸発させます。その蒸気を冷ましアルコールを取り出す方法になります。
常圧蒸留は昔から使われている方法で、原料の香りや風味・うま味を残しつつ仕上がります。
減圧蒸留とは
減圧蒸留とは蒸留器内部(タンク)の気圧を下げ、40~50℃程度の熱でもろみを熱した蒸気でアルコールを取り出す方法のことをいいます。1970年代から始まった新しい蒸留方法。
二つの蒸留の違い
常圧蒸留は個性や風味の良さから芋焼酎をはじめ泡盛、麦・米焼酎など多くの原料に使われています。
減圧蒸留はすっきりとした味わいを出したい芋焼酎や麦焼酎や米焼酎で使われることがあります。
⑦瓶詰め
焼酎を詰める瓶のサイズは、一升瓶や五合瓶・四合瓶・ワンカップ・小瓶など、様々なサイズがあります。
調合、割水、瓶詰されて出荷されます。